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2007/10/06

[2007 Autumn] 射チョウ周遊伝 第1話 旅の仲間

出立

払暁、とはいえ酒楼からは夜の名残の喧騒が聞こえる。そんな朝の街を足早に通り過ぎる旅装の男女があった。

と武侠小説風に書き出してみました。成田空港での集合時刻が早い時間だったため、NEX1号に乗る必要がありかなり焦っていました。なぜ焦っていたのかといいますと、前日の荷造りに時間がかかっ(て起床も遅れ)たためです。

「前日の仕事を定時であがっておいて何を言う」

と言われそうなので弁解しますと、旅行先の気候が読めないため持参する服装に迷ったからです。

「いや現代はインターネットという便利なものがありますよ。つかそういうサービスをやっているのがあなたの勤務先では?」

ええそうです、そうなんですがこのインターネットで入手できる情報が多いのが曲者で、思いつくまま挙げれば、Yahoo!Japanの世界の天気にYahoo!Chinaの中央気象台提供の情報、香港だとweather.comが提供する情報で台湾まで加えると4種類の情報源があるわけです。しかしこれらの情報がすべて食い違ってバラバラ。杭州の気温を調べたところ最高気温が22度から29度までと幅がある上に、気になる台風情報については、風速も不明だったり「風:4~5級」との表記に「級ってなんじゃい!」と怒ってみたり。

結局「日本の福岡くらいの暑さ(東京よりやや暑い)に傘持参で。寒そうだったら成田の免税店でストールでも買うわ。」ということにして荷造りを終えた頃には日付が変わりそうでした。

侠侶

で当日の朝に戻りますと、焦った割には列車発時刻の15分以上前にはホームに到着。朝食を車内で済ませる頃には成田空港着。交通手段が限られているので、同じ列車の同行者もいるだろうと、トランクに旅行社指定のネームタグをつけキョロキョロワクテカ、ただの不審者か海外旅行初心者です。集合場所付近を見回すと、同じツアーのネームタグをつけた方が数人集まっていらっしゃるのを見つけたので近寄っていくと、

「ああ○○さん。先日はどうも。」
「いえこちらこそ、■■さん。先日の京都の…」

とすっかり知り合い身内モードの会話が。ちょwwwwもしかして我々って部外者?ねぇハブってやつ?いやここで挨拶をして馴染んでおかねば。と恐る恐る声をかける。

「ああああああああの~」

やっぱ不審者。orz
お話を伺うと、武侠関連のサイトやブログでお名前をお見かけしたことがある方がほとんどでした。そういえばイメージどおりだ。*1

今回同行して下さる21世紀旅行社の添乗員Mさんも合流して点呼をとると、今回の主役である岡崎先生がまだ到着されてないとのこと。空港も混んできている*2ので先に手続きを済ませて搭乗口へ。

杭州直行だから小さいなぁと飛行機を眺めていると神光臨。あの岡崎先生が我々の目の前に。うおぉぉぉぉぉ、遅れてすみませんなんてそんなことないっスよ、全然待ってません。いやマジっす憧れの先生と一緒に武侠の聖地に行けるなんてマジ最高イヤァァァァアアアッホォォォォウ!!!!!!(本当は騒いでません)。

機内

今回のキャリアはJAL*3。杭州直行便なので機内は2×3×2とこじんまりしていますが、エコノミー特有の窮屈さは感じません。国内キャリアらしくサービスも丁寧なので安心。機内食には熱々の白米のおにぎり(具はなし)が付いていてありがたい。気分を盛り上げるため*4金城武主演の「傷だらけの男たち」を鑑賞しつつ食しました。鑑賞後時間が余ったので、映画メニューを見ていたら「天行者」先行公開とあったので観ることに。導入シーン後のタイトルロール、出演者に狄龍の文字が。なんですとー。これは観なければ!と意気込む私の耳に割って入る無常な機長 「当機はまもなく杭州蕭山国際空港に到着…」 えぇい黙れ。私と狄龍様の出会いを邪魔すんな。これを観ずして機を降りれるか。*5という願いも空しく、一行を乗せた飛行機は、無事に杭州蕭山国際空港に着陸したのでした。

杭州

20071006_1

上海などの大都市の空港と違い、杭州蕭山国際空港は地方空港。前に行った事のある大連周水子空港と似た雰囲気。国内では福岡よりやや小規模な感じだろうか。そして予想より暑い。空港内の案内板やアナウンスが中国に来たと実感させる。荷物をピックアップした後に現地のガイドさんと合流しバスへ。ガイドさんとバスは、今回のツアー中ずっと同行してくださるそうだ。バスは中国でよく見る、バックミラーが触覚のようなタイプ*6。ツアー総勢16名には大きすぎるような気がするが、そこは中国。ほら、リクライニングが壊れてるとかあるから席は多目のほうが何かと便利だから、というわけでもなさそうですがゆったりできるのは有難い。別便でいらした方とバスで合流し、まずは最初の目的地「河姆渡遺跡」へと出発です。

中国の運転マナーは日本に比べると荒い、ように見える。クラクションの使用頻度も高くてうるさい。しかしよくよく観察してみると、クラクションを鳴らすのは「追い越しますよ」の合図なのだ。鳴らされた方は(たいていの場合)追い越しやすいように速度を幾分緩める。歩行者やバイクに対しても同様に「こっちが優先で通るから気をつけろ」とクラクションを鳴らす。全車がクラクションを鳴らして優先権を主張していても、なんだか何とかなってしまう。なんだか不思議なルールだが、こういうルールに慣れきっていないと呼吸をはずして事故ってしまいそうだ。多分私には無理だな。渋滞にはまったときに思いました。で、その渋滞の原因は横転したトラック。過積載かスピード超過か判りませんが派手に数車線を塞いでの横転。事故でものんびりしたもので、渋滞で我慢しきれないのかオッサン路上で立ちション中。その事故現場に向かうのか、公安の車が…パンクなのか後輪がほぼホイールのみの状態で走行(しようとして走れず徐行)中。脇を追い越していく豚満載のトラック。ああ中国に来たんだなと実感する。

河姆渡遺跡

20071006_2

途中降り出した雨の中、バスは田舎道を快走、するわけもないのが中国ですよ。舗装?なにそれ?な道が当たり前なんだろうと思っていたら、迷ってましたバス…。「河姆渡遺跡→」の看板に従っても、気が付けば砂利道どころか前進できないように岩を並べて塞いでありますが。運転手のテクニックで袋小路を脱出し、ガイドの尽力で地元民情報をゲット、文字通りの紆余曲折を経ての河姆渡遺跡到着です。

河姆渡遺跡は新石器時代の遺跡。ここで見つかった稲を鑑定した結果稲作の起源が従来の説よりも早いことが判った、とかなんとか旅行予習用に読んでいた本に書いてあったような…。新石器時代と言われて私が思い出すのは縄文人のような毛皮と石槍と無骨な土器なのだが、展示を見るとかなり繊細な文化を持っていたことが判った。材料は木や骨、石などだが、繊細な文様を刻まれた石器や骨器、洗練された形状の土器と専用のカマド、子供たちが遊んだのであろうおもちゃの数々。このツアーに参加しなければ、ここに来るどころかこの遺跡の事を知ることもなかっただろう。
と優等生風な感想を書いてみましたが、実は私の河姆渡遺跡の印象は「遅れてきたすっぽん」です。なんじゃそりゃ。

寧波の夜

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遺跡博物館内で蚊に刺された腕を掻きながら、我々は再びバスに乗り今夜の宿のある寧波へ向かった。寧波はなじみのない街だが、実は日本とは深いかかわりがある港町。遣唐使がたどり着く港であり、道元が学んだ寺があり、服飾産業が盛んな街である。今着ているmade in chinaの服も、この寧波で作られたものかもしれないのだ。しかし日本ではあまり名前を知られていない街なので、訪れる人は服飾ビジネスがらみか仏教関係者だそうだ。バスから街並みを眺めると大きくライトアップされたビルや橋が目立つ。今回宿泊するのは寧波中信国際大酒店。繁華街に近いが河1本隔てて建つ4星のホテルだ。部屋もなかなか清潔で広く、ライティングテーブルにはPC用の電源コンセントだけでなくLAN用の情報コンセントまでが備わっている。ところどころに表示された日本語の間違い具合もご愛嬌。このクラスのホテルで日本語表示がアリだと、コンセントも日本のものが使えることが多いがここもそう。ドライヤーも備え付けられているので、日本から持参した変換機などは出す必要もなさそうだ。

夕食は市内の城市陽光大酒店。港町の寧波らしく海鮮料理が主体です。名物は太刀魚に寧波団子など。太刀魚は、日本では塩焼きしか食べたことがないのだが、中華の手にかかるとどんな料理になるのか楽しみです*7

岡崎先生の乾杯の音頭で食事の開始。きれいに盛り付けられた料理はどれも美味。中華料理だと、あんなに苦手な海老や蟹が食えるのは何故だろう、しかもいつもはこんなに大量にかつ複数の料理を食べることは稀なのにお腹に収まってしまうのは何故だろう。中国のビールは色もアルコール度数も薄目なので普段よりも多く飲んでも大丈夫だし。落ち着いたところで、ツアーで同行する皆さんの自己紹介タイム。
中国旅行が趣味という上品な老婦人や、中国映画の好きな男性、もちろん武侠小説大好きな方に、その頂点たる幇会幇主。徳間書店で武侠小説を担当されている方が女性*8なのを意外に思ったりしつつ自分の番。

「武侠小説が好きで、とある中国武術に入門して…」

あれ?なんか、引かれてる?もしかして武侠小説が好きでも武術までやる人っていないの?つかやりたくなるよね?ふつー。小説に影響受けやすいアホですみませんorz。入門といっても正式な弟子入りではないし、駅前のカルチャースクールレベルなんで逃げないでください。と自己紹介終わり。そんなこんなで和やかに一日目の夕食は終わりました。

食事後にホテルに戻ってからは遅いので、ホテルの周囲をぐるりと散歩するだけにした。河沿いには公園があり、周囲のビルはライトアップというには豪華すぎるネオンが輝き、橋も同様にライトアップされている。公園には、会話しているだけなのだろうがけんかしているようにしか見えないカップルや、カップルじゃないだろうが万が一カップルだったら…と考えてしまうオッサン2人組などがそれぞれに時を過ごしている。小雨降ってますけど。
そんなこんなでツアー第一日目は終わるのでした。

ああ、長くなりすぎるので、2日目以降はさっくり短く流します。

*1:八雲さんは何故か水滸伝の宋江のイメージがありました。もちろん李志清版で。

*2:手続き後に見ると三連休初日のためカウンターに長蛇の列ができていました。

*3:国内海外ともANAが多いので、実は初めてです。

*4:少なくともハリーポッターよりは盛り上がる。

*5:往復とも同じ月なので機内メニューも同じだと気が付けよ。

*6:私は「カタツムリバス」と呼んでます。国内でも2回ほど見かけましたが、中国のバスは殆どこれ。

*7:だがこの日のメニューに太刀魚はなかったような。白身魚は多かったけど。

*8:かつ美人。金庸先生対策、じゃなですよね…

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コメント

宋江ですか、たしかに多くの豪傑のおかげで私はたいしたことしなくても幇会などはうまく動いてくれますから(^^;

まてよ、今回の台風は「及時雨」が呼んだのかも!?
全然恵みの雨じゃねー!!w

投稿: 八雲慶次郎 | 2007/10/30 22:50

八雲さんのサイトの文章などを拝見していて
なぜか「宋江」のイメージが浮かんできたんですよ。
ほかの方のイメージは…秘密ですw

投稿: goggles | 2007/11/06 08:04

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